昔の話

ちょっとだけ昔の話をします。
中学のころ摂食障害で半年間こども医療センターに入院してました。
そのころは拒食状態で体重は30キロを切り、背中にけが生えている状態でした。
その後退院してもなかなか学校にいかれず、だらだらと中高を休みつつさぼりつつ。
大学も中退してしまい、自分で自分の人生をめちゃくちゃにしている気持ちになっていました。
こうなってしまったのは自分がすべて悪いんだ、じぶんの先を見通せないところ、だらしないところ、弱いところ。
それがすべてだと思ってました。
40年たった今、もう親はなく、私は同居人という名のもと旦那と一緒に暮らしてます。
子供はいません。

もうすぐ実家が壊されてしまうので家に必要なものを取りにいきました。
手紙や文集はすべて不要なのでそのままにしておこうと思った矢先、
入院中に書いたノートが2冊ほどでてきました。
半年間こども医療センター入院中にであったこと、うれしかったこと、楽しかったこと、つらかったこと。
大人向けにデフォルメされている部分はありましたが、自分で自分の子供時代を振り返ってるような
不思議な気持ちで読み進めていきました。
びっくりしたのは、13歳の誕生日の2日後に、親が面会に来てくれた時の日記でした。
たった3～5分ぐらいの面会らしかったのですが
”今日はとてもうれしかった。
自分が飛びついたら同じぐらいの力で抱きしめてくれた。”
と、
何よりも代えがたい喜びであったことを書いてあったんです。
13歳の子供が、親が自分を抱きしめ返したことでここまで感動することに、
自分ながら悲しさを覚えてしまったんです。
私はこんなに親の愛を欲していたんだなと思いました。
愛がなかったとは思わないし、恵まれていたとも思ってます。
でもやっぱりどこかで、自分はいらないんじゃないかと思ってたのも本当です。
親は私を妊娠した時、産もうかどうしようか迷ったそうです。
高齢だし、不安だったんだと思います。
私が入院している間に、兄弟もまじめになり、父もやさしくなり、いいこと続きだったとも書いてありました。
ほんとうにいないほうがよかったのかもしれないです。
そう思ってたからこそ、自分の親が自分を抱きしめ返してくれた、それだけでこんなにうれしかったんでしょうね。

自分が哀れにおもえたのもありますし、
愛を乞いながらもここまで生き延びてきた自分の頭をなぜてやりたい。
誰も抱きしめ返してくれなくても、今、私が、抱きしめてあげたい。
そういう気持ちになりました。

なんでここまで里親にこだわっているのか、自分でも不思議だったんですが、
たぶんこの経験が、
親がいないこと
親がいても愛情をもらえないこと
もらっているのに感じられないこと
やっかいな存在だと思われてること
たぶん昔の自分を重ねているのかもしれません。

もうだれもいなくなって、自分一人になったとしても
自分を、私が、今の私が抱きしめてあげたい。
よく頑張ったね、って声をかけてあげたい。
そんな気持ちになりました。